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9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
2023年本屋大賞候補にもなった「方舟」。クローズド・サークルの推理小説となります。
口コミに最後のどんでん返しがーとどなたも言っていたのですが。
確かに!これは震えた、というラストでした。途中で思うところがいくつかあったのですがすべて吹っ飛ぶラストです。
ここでは「方舟」の紹介、よかった点、いまいちな点をネタバレなしで解説していくので気になる方は参考にしてください。
車通勤で毎日、月10冊以上聴いているなかでおすすめなものを紹介しています!
オーディオブックとは
オーディオブックとは主に書籍を朗読した「耳で聴く読書」のこと。最近話題になってますね。
個人的には以下の点が気に入って1年以上使っています。
- 通勤通学中に、家事をしながら聴ける
- 本を置くスペースが不要
- 音声のスピード調整ができる
- 有名声優の出演が多数
読み放題プランがあるものも多いですよね。
おすすめアプリはAudible(オーディブル)とaudiobook.jpです。どちらも無料体験があるので興味のある方はお試しあれ!
方舟ってどんな本?
作者&ナレーター
作者:夕木春央(ゆうきはるお)
1993年生まれの推理作家。2019年「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞、同作を加筆修正した「絞首商會」で作家デビューした。
ナレーター:山内璃久亜(やまうちりくあ)
1994年生まれ福岡県出身。アクロスエンタテインメント所属。「パーティーダウン(ヘンリー)」「ボーダーライン・ソマリアウォー(アレックス)」「リバース・オブ・ブリッツ(ケン・スターン)」など吹替えを中心に活躍。俳優としても活躍している。
あらすじ
大学のサークル仲間と従兄とで迷い込んだ山奥の地下建築「方舟」。
同じく道に迷っていた矢崎一家と一夜を明かしていたところに地震が起こり閉じ込められてしまう。
脱出するにはだれか一人を犠牲にしなければならない。
さらに悪夢は続く。仲間の一人が誰かに殺されてしまった。
犯人は間違いなくこの中にいる。
最悪なことに地下から水が溢れ出し、脱出の期限は1週間となってしまった。
はたしてこの1週間で犯人を見つけ出し、脱出することは可能なのか・・・。
配信時間は11時間15分です。
主なキャラクター
- 越野柊一(こしのしゅういち)
- 本作の主人公。本作は柊一目線の一人称で描かれている。
システムエンジニアとして働いており、大学の登山サークルの一員。大学のサークル仲間とともに裕哉の別荘に訪れる。絲山夫妻との間に諍いがあり、何か起こる予感がしたため従兄の翔太郎についてきてもらった。
- 篠田翔太郎(しのだしょうたろう)
- 柊一の3歳年上の従兄で柊一に誘われて裕哉の別荘についてきた。方舟に取り残されてからは探偵の役割を果たし冷静に現状を分析する。
- 西村裕哉(にしむらゆうや)
- アパレル系で働いており、今回の旅行の発起人大学の登山サークルの一員。以前ひとりで来た時に方舟を見つけ探索したところおもしろそうだということで皆で訪れることを提案。道に迷ったため到着が遅くなり方舟で一晩過ごすことから閉じ込められることとなった。
- 絲山隆平(いとやまりゅうへい)
- ジムのインストラクター。大学の登山サークルの一員。麻衣とは夫婦関係。だがうまくいっておらず旅行の最中もギクシャクしてしまう。麻衣と柊一との仲を疑っており閉じ込められていることからも攻撃的な態度をとってしまう。
- 絲山麻衣(いとやままい)
- 幼稚園の先生。隆平の妻。消極的な理由から隆平と結婚したため夫婦生活が上手くいっておらず、そのことを柊一に相談していた。そのことが隆平にバレてますます関係が悪くなった。
- 野田さやか(のださやか)
- ヨガ教室の受付。大学の登山サークルの一員。明るく人当たりのよい性格をしているため、閉じ込められてからも空気を明るくしていた。
- 高津花(たかつはな)
- 事務員。大学の登山サークルの一員。さやかと同じ部屋で過ごしていたが心が休まらないことから部屋を別にした。
- 矢崎家
- きのこ狩りに来ていた一家。道に迷っていたところ一夜を明かすために方舟に合流した。
幸太郎:父親で電気工事士
弘子:母親
隼人:高一の息子
感想
よかった点
チェックポイント
・最後の大どんでん返しが予想以上
・最後の終わり方が好き
・誰が死ぬべきか、と哲学的な思考が深い
この作品を聴く前に評判をみていたので大どんでん返しがあることは知っていたのですが。
予想を上回る結末でしたね。
途中で「これはちょっと?」と思うところもあったのですが、最後がよければ読了後の満足感は高いのですね。
聴き終わったあとはしばらくドキドキしてしまいました。
また、ラストも後日談などがなくスパっとおわるので私好みです。
ここは知りたい人もいるかと思うので好みになりますね。
ストーリーでも誰が死ぬべきか、といういわゆる「トロッコ問題」が組み込まれています。
その際に印象に残ったのがこちら
愛されてない人は、愛されてる人より生きてる価値が低いって言ってるようなものだと思うな
「方舟」 夕木春央著
作中の麻衣の言葉です。愛する人、守るべき家族がいる人の方が生き残るべきか、それとも命は平等だから何も関係なく選ぶべきか。
とても考えさせられました。
彼ら、彼女らがどんな決断を下し、どんな結末が待っているのかはご自身の眼で、耳で確かめてください。
いまいちな点
チェックポイント
・展開に無理がある、ということがまれにある
・施設がいまいちわからない
・朗読はもうひと声
ストーリーでは誰が死ぬかを決めるだけでなく、殺人もおきます。
その際にこの行動はしないんじゃない??と思うことが数か所ありました。
特に矢崎一家のあの場面はそんなことはせんやろ!!と思わずツッコミをいれてしまいました。
ストーリーに入っていたからこその反応かと思いますが。
また、方舟の内部構造が言葉だけだととてもわかりにくいです。特に大岩を動かす仕組みがいまいちわからず聴き終わってから検索して画像を確認してしまいました。
それでもわかりにくかったですが構造だけでもファイルを添付してくれるといいなと思いました。
そして朗読に関してですが、山内さんがまだお若い方なのでAudibleで作品を聴きまくっている人にとっては「今後に期待!」といったところでしょうか。
山内には関係ありませんが翔太郎の言い回しや話し方が個人的には好きではありませんでした。
まとめ
最後の大どんでん返しがすごいとハードルを上げても満足させてくれる作品だと思います。
まだ読んでない方、聴いてない方は期待してくれて大丈夫です!!
読み終わった後にしばらく余韻に浸れると思います。
ただ、水が迫ってくるというタイムリミットなので苦手な方は避けた方がよいと思います。
クローズド・サークル系の推理小説が好きな方には特におすすめです。
Audibleでは無料体験もあるので気になる方試してみてください。
それではよいブックライフを!