【PR】

本屋さんでもネットでも話題になっている「同志少女よ、敵を撃て」。第二次世界大戦の話とだけの知識で読み始めました。
圧倒されました。
ソ連の女性狙撃手を主人公とした話なのですが、とてもリアルに戦争のことがかかれており、ただただ戦争を学ぶだけでなく、いろいろな立場から戦争をみて正義ってなんだろうなと考えさせられます。
ウクライナで同じようなことが起こっているかと思うと心が痛みます。
戦争の話なので人はたくさん死にますし、凄惨な表現がたくさんでてくるので苦手な方は避けた方がいいでしょう。
ここではあらすじ、よかった点、いまいちな点を解説していきます。
本だったら分厚いですし、Audibleでも15時間34分と長いので読もうか迷っている方は参考にしてみてください。
なお今回はAudibleでの感想になります。

車通勤で毎日、月10冊以上聴いているなかでおすすめなものを紹介しています!
オーディオブックとは
オーディオブックとは主に書籍を朗読した「耳で聴く読書」のこと。最近話題になってますね。
個人的には以下の点が気に入って1年以上使っています。
- 通勤通学中に、家事をしながら聴ける
- 本を置くスペースが不要
- 音声のスピード調整ができる
- 有名声優の出演が多数
読み放題プランがあるものも多いですよね。
おすすめアプリはAudible(オーディブル)とaudiobook.jpです。どちらも無料体験があるので興味のある方はお試しあれ!
まずは無料体験
「同志少女よ、敵を撃て」ってどんな本?
作者&ナレーター
作者:逢坂冬馬
1985年生まれ。この「同志少女よ、敵を撃て」でデビューした。
- 2022年本屋大賞受賞
- 第166回直木賞候補作
- 第9回高校生直木賞候補作
- 第11回アガサ・クリスティー大賞受賞(史上初選考委員が全員5点をつけた)
ナレーター:青木瑠璃子
さすがプロという感じで登場人物を声色で使い分けています。聞いただけで誰がしゃべってるかわかります。
あらすじ
舞台は第二次世界の最中。独ソ戦が激化する中、1942年、モスクワ近郊の農村に狩人として暮らすセラフィマの日常は突如として奪われた。急襲したドイツ軍により、村人は惨殺され、唯一の身内である母も殺されてしまう。セラフィマだけ唯一生き残ったのだ。
唯一助け出されてときセラフィマは聞かれる。「戦いたいか、死にたいか」。復讐を誓ったセラフィマは救出された部隊長、イリーナによって女性狙撃手として育成されていく。母の仇を討つために、村を焼き払ったイリーナを最後に撃つために。
ウラヌス作戦、スターリングラードの激戦を経て、おびただしい死を目の当たりにする。その結末で彼女が目にした真の敵とは。「同志少女よ、敵を撃て」その時彼女が撃ったのは。
感想
よかった点
チェックポイント
・戦争についてを深く考えさせられる
・伏線、タイトル回収がすごい
・女性狙撃手だからこそ考えるべきことがある
舞台は第二次世界大戦のソ連。歴史的背景として第二次世界大戦で始めは独ソ不可侵条約を結んでおり、ドイツはヨーロッパとの戦争に明け暮れていた。しかし、第二次世界大戦を勝利するためにはソ連を倒さなければないと考えていたナチスは1937年に「大粛清」があり、軍部も弱っていたと考えたナチスは開戦を選択する。
なお、この戦争でのソ連の犠牲者は2700万人ともいわれており、日本の約9倍、ドイツの約3倍となっている。
この悲惨な戦争の中で生きるとは何かをひたすら考えさせられました。ドイツ軍にはドイツ軍の正義があり、ソ連軍にはソ連軍の正義がある。やらなければやられる世界。もちろん、セラフィマも撃ちたくて撃っているわけではないですし、敵味方、戦う理由はキャラクターそれぞれでした。自分がためらったせいで仲間が撃たれることもあるのです。その中で何が正しいと私たちが言えるはずもなく、ずっと考えていかなければならないと思っています。

我々は戦争から目をそらしてはいけない
また、女性狙撃手ということでただ戦うことだけに焦点があてられているのではなく、女性への暴行もテーマのひとつとして描かれています。女性への暴行も戦争の真実なのでしょう。もちろんあってはならないことですが、ダメということは誰でもできるのでなくすためにはどうすればよいかを考えていかなければならいと思います。
登場人物も無駄な人物がなく、何かしらの役割をもっています。「ここでこの人がでてくるの!?」と見事に伏線を回収していきます。
終盤に「同志少女よ、敵を撃て。」でどんな敵を撃ったかぜひ本を手に取って、聴いて確認してください。

終盤のこの言葉に鳥肌がたちました
いまいちな点
チェックポイント
・凄惨、残忍な表現が多数ある
・歴史的背景を知っていないとわかりにくい
・銃にくわしくないとピンとこないことがある
戦争を題材にしている以上凄惨、残忍な表現があるのはわかっていましたが、それでもきつかった場面がいくつかありました。拷問のシーンもあるので苦手な方は読むのを避けた方が無難だと思います。
人は簡単に死にます。数字としても膨大な数死んでしまうのである程度覚悟をもって読んでください。
個人的には人に対してのみ心構えをしていました、動物の残忍なシーンは心構えができておらず、ショックを少し引きずってしまいました。

それが戦争と言われたらそれまでなんだけど、それが現実なんだけど、簡単に死がでてくるよ
また、時代背景をある程度知っていないと「なんだこれ?」となってしまうかもしれません。年号もよくでてきますし、ソ連という国ができる前はロシアが帝政をしいていたこと、スターリンやヒトラーの名前がさっとでてこないと歴史的背景を想像することは難しいかもしれません。
私は歴史が好きで詳しい部類に入っていると自負していますが、それでもチェーカーやNKVDという言葉や地名を知らず、途中で調べたりあやふやなまま聴き進めていました。
銃に関しても同様で、銃の種類がいくつかでてくるのですが、銃は全くの不案内なのでそこは何となく聴き進めていました。

銃に詳しかったらまた違ったおもしろさがあったのかな?
まとめ
第二次世界大戦終戦から77年。ウクライナ戦争真っ只中。そんなときだからこそ手に取ってみてほしい1冊です。
戦争は、本当に何もうまないのだな、としみじみと感じましたし終戦後も戦ってきた人たちの生活は続きます。戦ってきた人たちの戦後の生活のことも考えなけれななりません。
女性狙撃手ひとりに焦点を当てることによって、個人ではどうすることもできないのが戦争だとよくわかります。
内容的に映像化が難しく、映像化できたとしても小説の凄惨な部分はぼやかさなければならないので気になるならば小説を読むしかありません。
戦争について、平和について日本人として知っておくべきだと私は思うのでそのきっかけにこの本がなればいいと思います。
それではよいブックライフを!
まずは無料体験