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2014年にドラマ化もされた「Nのために」。
ナレーターは主人公を演じた榮倉奈々さん。
私はドラマを拝見していませんが、ドラマが好きだった方は朗読を絶賛していました。
また、ドラマとは受ける印象も結末もかなり違っているようです。
ここではそんなNのためにの紹介、よかった点、いまいちな点を解説していくので気になる方は参考にしてください。
車通勤で毎日、月10冊以上聴いているなかでおすすめなものを紹介しています!
オーディオブックとは
オーディオブックとは主に書籍を朗読した「耳で聴く読書」のこと。最近話題になってますね。
個人的には以下の点が気に入って1年以上使っています。
- 通勤通学中に、家事をしながら聴ける
- 本を置くスペースが不要
- 音声のスピード調整ができる
- 有名声優の出演が多数
読み放題プランがあるものも多いですよね。
おすすめアプリはAudible(オーディブル)とaudiobook.jpです。どちらも無料体験があるので興味のある方はお試しあれ!
Nのためにってどんな本?
著者&ナレーター
著者:湊かなえ(みなとかなえ)
広島県出身のミステリ作家。05年にBS-i新人脚本賞、07年に創作ラジオドラマ大賞を受賞。同じ年に「聖職者」で第29回推理小説新人賞を受賞し、その続きを執筆した「告白」は本屋大賞を受賞しただけでなく、映画化もされている。
他にも「贖罪」や「夜行観覧車」、「白ゆき姫殺人事件」など多くの作品が映像化されている。
ナレーター:榮倉奈々
2014年ドラマ化された際、主人公の杉下希美役を演じた女優。このドラマで競演した賀来賢人さんと1年間の交際を経て結婚した。
再生時間は8時間9分です。
あらすじ
東京のとある高層マンションの1室で野口貴弘、野口奈央子夫妻が殺害された。
現場に居合わせたのは杉下希美、西崎真人、成瀬慎司、安藤望の男女4人。
4人の供述により犯人は西崎真人。本人も罪を自供し懲役10年の判決が言い渡された。
しかし、その4人はそれぞれついているウソがある。
大切な”N”のために。
『Nのために』は私の初めてのラブストーリです。
とはいえ、主人公と相手が紆余曲折を経て両想いになり、めでたし、めでたし、といった話ではありません。
それなら、私が書く意味がない。
著者コメント
主なキャラクター
- 杉下希美(sugishita Nozomi)
- 野バラ荘の102号室に住んでいる将棋が趣味の苦学生。高校までは愛媛県の青景島に住んでいたが複雑な家庭環境で大学進学と共に家をでる。
清掃会社でアルバイトをしており、沖縄へ旅行に行った際野口夫妻に出会い交流をもつこととなる。
- 成瀬慎司(Naruse shinji)
- 杉下と同じ愛媛県の青景島出身の大学生。実家の料亭「さざなみ」が経営不振で進学をあきらめていたが奨学金を得て東京の大学へと進学することとなった。
シャルティエ・広田でアルバイトをしており、そこの出張サービスに出向いたところ事件に遭遇することとなった。
- 安藤望(ando Nozomi)
- 野バラ荘の元住人。台風をきっかけに杉下、西崎と交流をもつこととなった。
杉下と行った沖縄旅行の際、野口夫妻と出会いたまたま貴弘氏の会社に内定が決まっていたことからも交流ををもつこととなった。
杉下に将棋を教えてもらったことから将棋を趣味とし、貴弘氏をたまに将棋をうつこともあった。
- 西崎真人(Nishizaki masato)
- 野バラ荘101号室の住人で台風をきっかけに杉下、安藤と交流をもつこととなった。
色白の美青年で文学に傾倒しており、自身でも小説を書いて賞に応募しているが日の目をみることはない。
自らの自信作「灼熱バード」を杉下や安藤にも見せるが理解されなかった。
事件当日、野口夫妻のアパートで野口夫妻を殺害したとされている。
- 野口貴弘(Noguchi takahiro)
- 有名商社のエリート。実家も資産家で会社の受付嬢だった奈央子と結婚し、「スカイローズガーデン」の48階に居を構えている。
沖縄旅行で杉下、安藤と出会い自らも将棋をすることからも旅行後も交流を続けている。安藤の上司で会社でも目をかけている。
- 野口奈央子(noguchi Naoko)
- 野口貴弘の妻で野口の務める商社の専務の娘。貴弘氏を結婚するまでは受付嬢をしており、会社でも顔は知られている。
沖縄旅行をきっかけに杉下、安藤と交流を持ち杉下のこともかわいがっていた。
事件当日は包丁でわき腹を刺され死亡している。
野バラ荘と管理人の野原のおじいちゃんもNだね。
感想
よかった点
チェックポイント
・余韻をかみしめる作品
・これぞイヤミスの女王湊かなえの作品
・強すぎない恋愛要素
小説の冒頭に事件は解決しています。犯人は西崎。結末がわかっているのにここまで深い作品になるのはすごいと思いました。
ひとつの解決した事件にかかわった4人目線で語られる真実。4人の誰も本当の真実を把握していないところも考えさせられるものです。
もし、あの時誰かが本当のことを言っていたら。
そして、湊かなえさんはイヤミスの女王と言われている小説家です。
イヤミスとは
読後イヤな気持ちになるミステリー。
スッキリしないだけで、皆が幸せにならないだけで不愉快なものではありません。
私は最後まで聴いた後数日「if」を考えてこの「Nのために」で頭がいっぱいでした。
伏線を散りばめて、裏で見事に合致させて、あえてぼかしたままで終わらえる事象もある。
だから考えされられるのでしょうね。
気になるけれど語られなかったことをしりたい方はドラマをみるのもいいかもしれません。
恋愛要素が少ないのも好みでした。
誰かが好きだから告白する、といったことは原作にはなく曖昧だけれど要素はあるといった感じです。
だからこそ「愛」というものが強調されるのだと私は思います。
いまいちな点
チェックポイント
・ドラマの内容を求めていると少し違う
・朗読は普通
・スッキリ感はなく全体的に暗い
「Nのために」のドラマが有名なのでドラマで見たから、とドラマと同じ内容のものを求めている方は違和感を持つと思います。
- ドラマとの違い
- ・高野夫妻はでてこない
・恋愛要素は薄く、告白シーンや明確な好意がわかりにくい
・ドラマで描かれた結末は描かれていない
湊かなえさんはイヤミスの女王の名のごとく、伏線をはり、内容を匂わせて読者が様々な解釈をする作風です。
ですから、杉下が誰を最後選んだ、杉下に告白した、病気のこと、放火の犯人などは一切描かれていません。
この作品は万人受けするものではないと思います。が、ドラマを見た方は結末をわかったうえで聴けるので別の楽しみがあるかもしれませんね。
また、作者コメントにあるように、ハッピーエンドではありません。
むしろ幸せになった人はいるのかな、というほどです。
愛についてよく出てきますが、恋愛要素はあまりありません。
だからこそ、愛とは、を考えさせられるのですが、最後にみんな幸せ!というものを求めている方は合わないと思います。
朗読に関しては好意的な意見が多いです。
淡々として感情を交えない読み方、ドラマの主人公の朗読という点は良いかと思いますが、個人的には物足りなく感じました。
章の始めで誰の視点かわかりにくく、演じ分けという点では声を専門にしている方には劣ってしまうと思います。
まとめ
ドラマ好きだった方、湊かなえ作品が好きな方は楽しめる作品だと思います。
ドラマが好きだった方は結末を知りつつ、事実を知りながら原作を追ってみることもこの作品では面白いと思います。
再生時間も8時間9分と比較的聴きやすい長さだと思います。
おすすめは1.7倍速!
興味が出てきた方は無料体験で聴いてみてはいかがでしょうか。
それではよいブックライフを!
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